不思議な男性

多感な10代後半に出会った人の中で忘れられない印象的な方がいます。

彼の年齢は誰も知らず、完全に年齢不詳の方でした。
知っていることと言えば、実家は山奥で所謂お坊ちゃんで、独身。

高校時代は髪を緑やピンクに染めていて、下駄で登校していて、親御さんも呆れていたようですが、絶対に無理だと言われていた国立大学に入学して、今はどこかの街で塾のオーナーをしているそうです。

当時は都心にマンションを借りていて、部屋が余っているからと同郷の後輩たちを居候させたりしていて、ポストにいい物件の広告が入っていればすぐに電話して引っ越すくらいの引っ越し魔で、広島焼きを食べに広島に行こうと急に言われたり、とにかく行動派な男性でした。

成人してからも、コーヒーを飲んでいたら顔を思い出したからという理由で呼びつけられたりもしましたが、また会いたいと思わせる不思議な魅力がある一方で、今日会ったらもう次は会えないのではないかと思わせるような、結婚相手なんてすぐにでも見つかりそうなくらい魅力的な方なのに、結婚したがらない、そんな方でした。

今まで出会った中で一番不思議で、一番クレバーな男性です。