最近・・・に限った話じゃないですが、時々営業メールが届くんですよね。
本を出してみませんか(自費で)?って。
きっと、出版社の業界も大変なんだろうなあ、なんて思いながらそういった類のメールを読むわけで、直近でも、長文でとても丁寧で関心してしまうような生成AIまるだしの営業メールも届いたりするのですが、いまだに1件も返事したことはありません(ごめんなさい)
■書き魔とは呼ばれてましたが
自分では理系だと信じて疑うことは無いんですが、周囲からは「見まごう事なき文系だろ」と言われたりもします。
こんな駄文をだらだらと流し続けるサイトを長年やってますし、なんならBBS時代(なんそれ?って言われそう)から書き魔だと評されておりましたのも確かな事実ではありますが。
いや、そんな周囲の評価に左右されたからというわけでもなく、単純に「本って作ってみたいよね」とは10年以上まえから漠然と思ってて。
※高校生くらいの時から月刊雑誌への投稿で何度か掲載してもらってたり、ゲーム系同人誌で多少書かせてもらったりという経験はあるものの主体的に作るのは未経験なので。

いまどきだと、文を書きたい人の第一選択肢は noteですかね。わたしゃそんなハイカラ(いつの言葉や)なものは怖くって手が出ませんし、そもそもマメな投稿なんてとてもとても。
■本って作ってみたいよね
けれど、まれにまじめに文を書きたくなるもんなんです。
そしてそういった時に書きなぐった文の断片はiPhoneのメモ帳に集約できるようになり、MacやiPadでも標準で連携されるようになり、積みあがるスピードが格段に速くなりました。文明の利器ですね。
こういう、やりたい事が明確なときにわざわざツールの使い方の習得から始めないといけないなんてナンセンスな事がなく、さらっとサポートしてくれるAppleの製品群の出来の良さは大したもんだと感心するわけです。でも仕事ではWindowsとLinuxをメインに使ってますが。
さらに、実際に書籍という形にする手段としても、日本でも2012年ごろから利用できるようになったKDP(Kindle Direct Publishing)なんてサービスがあり、初期コストを抑えて出版することが叶うようになってきました。
書きためる環境も整い、作るサービスも充実してきたからには、できるかもしれない事はやってみたいじゃあないですか。
■縦書きにチャレンジ
さて、どんな環境でもソフトの操作を覚え直さなくていい、という点で本文を書くツールはWord一択だと私は思っています。
Apple使いですからPagesを選んだほうが幸せになれるのかもしれませんが、Windowsも使います(というかWindowsを使っている方が長い)ので。
MS-Office(Word,Excel,PowerPoint等々)は高いという意見をよく耳にしますし、もちろん安いとは思わないわけですが、複数の端末で使うことを想定した場合にこれほど使い勝手のよいものもなかなか無いんじゃないかと思います。
なにせ、月額1,236円(税抜)で最大5台のPC(win/mac)、タブレット5台、スマホ5台にインストールしておけます(ユーザー数は1だが)。
※なんなら学生をやっている間であればもっと安く使う手段もあるかもしれない。例えばうちの大学の案内によると学割で年額8,000円(税抜)でTeamsまでついてくるらしい。
Adobeのように2台を超えてインストールするだけでライセンス認証しなおせと文句を言われないから、使いたいときに目の前の端末ですぐ使えるという点でとても使いやすい。ちょっとはAdobeも見習ってほしいもんだ。※弥生さんもな。
ただ、Wordで縦書きしていて難点が1つ。
欧米文化というかなんというか、右から左へ読むという発想が無いのですよね。あくまでも左から右へ読む、それにあわせた表示にしかならず。
1ページ単位での編集は、ちゃんと右から左へと書き連ねていくことが実現されています。
でも、複数ページを表示すると違和感に気づきます。そう、1ページめが左、2ページめが右、ってな配置でしか表示されません。これが意外に全体像を見て調整したいときにイラっとするポイント。
こればかりは慣れるしかないようで・・・ほかのソフトを探してさらに操作を覚えるために労力を使うか、それともWordの違和感に慣れるほうが楽かと天秤にかけると、Wordが勝ってしまいます。※のちにこれが盛大な入稿ミスを招くことにもなるわけですが。
■本文自体を書くのは楽だが
本文そのものは、すでにあるネタ帳をもとに書き連ねていくだけなので苦労は無いのだけれど、実際に編集しようとすると厄介な操作はいくつかあって、それは特にレイアウトをちゃんとしようと意識し始めた時に急に襲いかかってきます。
なので、あらかじめWordで何ができるのかを認識しておかないと辛いかもしれない。
・偶数ページと奇数ページでヘッダー・フッターを別レイアウトにする。
・タイトルページや目次ページにヘッダーを記載させない。
・セクションごとにヘッダーを自動的に更新させる。
・セクションごとに縦書きと横書きを変える。
・PDF形式でデータ保存する。
このあたりはWordでできます。でも操作がちょっと判りにくいです。Geminiさんなどに聞きながらその都度操作をしてみるのが良いかもです。
あと、用紙サイズと余白の設定。文庫本サイズをイメージしていてもドンピシャなサイズは無く、もっとも近いもので4x6判になります。
ちなみに印刷可能な最小値は幅101.6mm、高さ152.4mmになり、文庫本と並べてみるとちょっとだけ幅が少ない感じになりました(あと3mmくらい広げたら良い感じ)
・文庫本イメージなら4x6判(101.6mm x 152.4mm)
・余白はおなじみの上下左右ではなく、見開きで上下と内側外側+とじしろ。
余白については試行錯誤してみたところ、最終のページ数にもよりますが、上18mm、下15mm、内側14mm、外側8mm、とじしろ6mmというところで。
フッターヘッダーの距離はそれぞれ用紙端から10mm・・・だとちょっと余裕持ちすぎかな。

■大いに悩むところ
できることはわかってても迷うところ。
・ヘッダーに章番号とタイトルを自動的に入れるには?
まず本文は、章ごとにセクション区切りを入れて原稿を書きます。
そして、章の見出しとして章番号や章タイトルにスタイルを適用します。たとえば章番号には「見出し1」、章タイトルには「見出し2」がわかりやすい。
本文の準備ができたらヘッダー部分をダブルクリックし、ヘッダーの編集に入ります。
ヘッダーには「クイックパーツ」ー「フィールド」で「StyleRef」をクリックします。
すると、実際に挿入できるスタイル名の一覧が表示されるので、「見出し1」を選んでOKボタンを押せば出来上がり。
ヘッダー部分も普通に編集が効くので、たとえば左寄せに配置したり、さっきのStyleRefを入れた後ろに「|」や「・」などの区切り文字を入力し、さらに別のパーツを追加することもできます。
もちろん、ヘッダーに表示された文字列を選択して、フォントを変えたり文字サイズを変えることもおすすめ。
そうして、”第一章|ここからはじまる” なんて感じでセクションごとに見出しの内容を入れていくとグンと本らしくなってきます。
・縦書きの1ページ目は右?それとも左?
これ、迷ったときにちらっとChatGPTさんとかGeminiさんに聞いてみたんです。そうすると答えは「必ず奇数ページが右、偶数ページが左になります」という答え。
なんならKDPのガイドラインに記載されている「右から左に読むコンテンツの場合は、偶数ページが右、奇数ページが左に来るようにしてください」をコピペして聞いてみても頑固に「それはよく誤解されるポイントですよね〜」なんて答えだします(笑)。
切々とそれらしい言葉を並べられると、うっかり騙されてしまいがちです。※実際に騙された本人がそう言うのですから間違いない。
・表紙の裏(裏表紙じゃなくって)は白紙?
右から左へ読む意識のまま先述の「必ず奇数ページが右」なんて言われると、そうか表紙をめくったら裏側に1ページ目があるのか、などと思ってしまいます。よね、普通そう考えますよね!わたしだけ?!
でも違います。
ChatGPTもGeminiも欧米文化な情報でトレーニングされた方々です。表紙は左にむかってめくるのが常識として刻み込まれているのです。だから表紙の1枚下にあるのは1ページ目。そして1ページ目は右側。左側になる表紙裏は白紙になります。
もし日本語圏でしっかりトレーニングされていたとしたら、きっと答えは逆になるか、あるいはどちらもアリという答えが一般常識となることでしょう。

表紙をめくったところ。ほらね、真っ白でしょ。1ページ目も左側にあるし。
でも色んな調べものはChatGPTさんやCopilotさん、Geminiさんに喋りかけるように聞いてみるとちゃんと調べて答えてくれるから、ネット検索キーワードを考えるというワンクッションが無くなったのは素晴らしい進化だなーって実感します。
■やらかしました見事に
さて、意気揚々と入稿し、審査を通過し、販売開始した直後「左右逆じゃねーか」と気づくわけです。
すぐに原稿の修正をかけようとしますが、左右の入れ替えはことのほか面倒で時間がかかる。そう、セクションが奇数から始まる設定になっているのを削除できない問題にぶち当たる。
結局のところ、新規ファイルとしてイチから作り直したほうが早かったです、ほんとに。
ついでに微妙に気になっていた点も調整して再入稿。
と、同時にKindle本のデータも試しに作って入稿してみることにします。こっちはこっちで日本語に充分に対応していないので難点が多いです。
あ、これもPDFレプリカで入稿したら左から右にしか進まないや。
■背表紙の幅
あ、そうそう、表紙も裏表紙も背表紙も1枚のデータとして作る必要があります。
ページ数が少ないと厚みが出ないため、背表紙に文字を入れるのが難しくなってしまいますから、最少でも80ページを超えるように文字サイズや行間、余白や改ページなどで違和感のない範囲で調整したほうが良い場合もありそうです。
いろいろ設定を試してみたところ、同じ白黒印刷でも紙は白よりクリームの方が厚みが出るようです。
そして、この表紙+背表紙+裏表紙のデータを作るには、あらかじめ表紙計算ツールでテンプレートを作ってダウンロードしておくと楽に作れます。

ダウンロードしたテンプレートの上に重ねるように文字や絵を配置し、背表紙に書いた文字がはみ出ないように気をつけましょう。黄色い枠は自動でISBNバーコードを入れてもらう場合に開けておく場所です。自分でバーコードを作って入れるのならば無視しても良いかもですが、たぶん自動で入れてもらったほうが楽です。
■そして、とっくに出版してますけれど
わりとまじめに書き連ねてます。普段の文体とは全く違います。読み物としては楽しい部類ではないかもしれないです。

「なぜお化けは怖いと教えられるのか」
※Kindle版およびペーパーバック版 170p
しかも文字ばかりです。絵があるのは表紙だけ。いずれは挿絵満載のものにも挑戦してみたいものです。
書籍を流通させるにはISBNという13桁のコードを入手する必要があります。デジタル本には不要だけれど紙の本では必須。
ISBNって取るのに1万円くらいだったかな、仮に売れてもほぼ印刷コストで消えていくから費用を償却できないんじゃないかな、と内心ドキドキしてたんですけれど、KDP側が無料で提供してくれるんですね。おかげで労力と時間以外の制作コストがまったくかかりません。
Kindle版は紙媒体のPDFをそのまま転用しているのでご容赦ください。入稿してから半日も経たないうちに販売中になってたのには正直 驚きました。
■出版したら納本も
ところで皆さんご存じですか?
出版したら、国立国会図書館に納本する義務があります。考えようによっちゃ権利かもです。
※国会図書館法(昭和23年法律第5号)
国会図書館に納本したら何がよいの?って、そりゃ国立の機関でずっと保管してくれるわけですよ。自分のかわいい本を。
そして、自分の名前を歴史にちょこっとだけ刻み付ける、ことができます。
想像してください、国会図書館サーチで自分の本と自分の名前がヒットする時代がくることを。とても魅力的でしょう。孫の代までネタにして語れるというものです。
※もっとも、内容によっては消えない黒歴史になりかねませんけれど(笑)
納本にあたっては全て自腹です。
出版物代償金として申請すれば多少は戻してくれるという制度もあり(ついでにそれを悪用した事例もあり)ますが、事前手続きが面倒なので私は無償でいいです。はい。
代償金が必要な場合、納本対象について基準があります。
たとえば相当部数販売される出版物ということで、その相当数って例えば100部以上刊行されていることが1つの基準になります。
無償だと収集第二係、有償だと収集第三係が窓口になります。持参する場合には東京本館西側1階の納本カウンターへ。
■印刷コストは高いので
さて、KDPのペーパーバックですが、在庫コストはかからないものの印刷コストは注文の都度かかることになります。
なにもあとで請求されるわけではありませんが、販売価格から印刷コストが差し引かれるので実際の利益額としてはごくわずかです。たとえば税込み1,210円で販売しても白黒170ページあれば印刷コストは548円で、さらにAmazon側に持っていかれる手数料もあるので手元には売価の10%にも届かない110円という試算になります。カップベンダーの紅茶すら飲めやしない。
もし、たくさんの人に自分の言葉を伝えたいとか、ついでに”稼ぎたい”という意図であれば実質的にnoteの方が適していると思うんです。きっとあっちのほうが早いし多くの人の目にとまるし継続的に利益も出るだろうなって思います。
でも、紙の質感があるほうが安心できるというか、一種の憧れというか自己満足というか。
そんなことをしているうちに、ひょっとしたら何かの間違いでベストセラーになって作家として名乗れるようになったり・・・なんてことはさすがに期待しないですが、そんなくだらない夢でも口にすることができるのは実際にやったからこそというわけで。
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株式会社パソコントラブル救助隊で公式サイトを含めたウェブマスターを兼任しています。
趣味はカメラとぶらり散歩。フォトマスターは2級。日々感じたことを忘れないうちに雑記帳に書いています。
