IPv4とIPv6で速度の違いは?

数年前ならいざ知らず、いまどきもうIPv6かIPv4かなんてことは一般ユーザーは意識する必要もなくなってきているとはおもいますが。

さて、ウチの固定ネットワークのプロバイダはIPv4とIPv6を同時に使用できます(むしろ当然)

一般的にはIPv4 over IPv6となっていて快適なのでしょうけれど、どういうわけか諸事情がありウチではIPv4とIPv6が別々に流れております。

■むしろ良い?

それによってメリットが無いわけでもないのですが、こと「通信速度」だけを見た場合にはやはりIPv4では不利なことがあります。

前提として以下しつこく書きますが日常使いではまったく問題にならないのですよ。

ただ、たとえば特殊事情(固定IPアドレスが欲しいとか、特定のプロトコルを通したい場合)はIPv4をPPPoEで通しておかないといけないなんていうプロバイダ事情があるので致し方ない。

■速度差がわかりやすい

さてそんな事情は横においといて本題。

同じ接続相手先でもIPv4の場合とIPv6の場合で顕著に速度差がでる時間帯があります。個人的に調査したなかでは概ね21〜00時くらいまでの範囲。

この時間帯にWEBサイトを見てまわっていると時々遅いなーと体感することがあるんです。でもGoogleなんかのスピードテストを実行してもぜんぜん遅い数値は出ないから不思議に思っていたのです。

知識としてはPPPoEのIPv4とIPoEのIPv6だったらIPv6のほうが断然有利なのは頭に入っているものの、体感するほどの差は出ないだろうとたかを括ってました。

■サーバー設定変更に乗っかり計測

そんな折、ちょうどデータセンターに置かれている自社サーバーの設定を変更する必要が出てきたのでその作業のついでに速度差のデータも取ってしまおうという事に。

対象サーバーの契約上はIPv6/IPv4それぞれの固定IPアドレスは払い出されているものの、古い古い運用を引きずっていたためIPv6はOS側で無効化していたのですね。

実質IPv4でしか接続できない運用体制だったサーバーにIPv6の設定を追加するだけ。

そのまえにまずは計測相手となるサーバーにLibrespeedを導入(Gitから展開するだけで良いので楽ですね)。クライアントからの計測ができる体制にしました。

動作テストとしてIPv4のままで速度計測を実施。
そのあとサーバーの設定見直しをかけIPv6を使用できるように修正。

IPv6接続でも速度計測ができることを確認します。

平日01時の速度差

※混雑の済んだこの時点でも2倍近い速度差はあるっちゃああるのですが

そして、IPv4とIPv6の切り替えが簡単にできるようにして待機させ、翌日の夜の速度差が激しくなる時間帯に計測することとします。

同じクライアントから同じサーバーへと接続することになるので条件差が少なく、単純にIPv4で接続するかIPv6で接続するかの違いだけと考えることができます、よね。

■予想以上の結果に

IPv4で速度が落ち込む時間帯というのは平日21~00時とだいたい3時間くらいありますし、念のためにIPv4計測→IPv6計測→IPv4計測→IPv6計測として突発事情ではないことも確認済み。

もともとクライアント側が細い回線を使っているためか、極端に落ち込む時間帯以外はIPv4でもIPv6でもそんなに体感差はなかったのですが(たしかに倍ほどの差は数値として現れていますけれども)、測ってみるとずいぶんと大きな差になりました。

(1)速度低下が出始める21時の計測

平日21時の速度差

おもにDownloadの値で比べることになりますが、IPv6: 76Mbit/sに対し IPv4: 4.2Mbit/sとずいぶんな低下っぷり。WEBサイトを閲覧しても時々もっさりと感じられます。

(2)速度低下が顕著な23時の計測

平日23時の速度差

結果としては一目瞭然ですがDownloadの値に注目するとIPv6: 93Mbit/sに対してIPv4: 2.5Mbit/sと97%ダウン
元の回線が細いとは言え、IPv6接続時と比較して3%ほどの速度しか出ていないという結果になっているのが驚き。

どうりでWEBサイトを見てまわっていてもやたらと遅いなと思うのは気のせいだけではなかったようです。

PPPoEだからオーバーヘッドが大きい?とか、プロバイダ側がIPv4のルーティングに力を入れないから?とか事情はあれこれ想像してしまいますが、利用者側から見えるわけでもないですしそこを追求したとて何もできない(IPv4 over IPv6だとそれほど顕著に速度低下しないのだろうけれどなぁ・・・)

ともかく、回線そのものの速度が低下していなくっても通す通信がIPv4だと遅くなることだけは明らかなようです。サーバーを立てる側もIPv6が使えるなら積極的に使ったほうが利用者に優しいということが言えそうですね


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