本を厳選する

本を沢山くれた知人の家に行ったら、本が見事なまでに無くなっていて、本棚から溢れかえってたのが嘘みたいになっていました。本棚も空っぽ。何かの間違いなんじゃないのって思うくらい本が消えていました。

数冊の褪せた本はパラフィン紙がつけてあって、理由を聞いたら「これ以上ボロボロになってしまうと読めなくなってしまうから」と笑っていました。

私の苦手な洋書とか海外文学に、丁寧にパラフィン紙がつけてあって、トルストイなんて読めないなあ、戦争と平和くらいしか聞いたことないや。と思って帰ってきたのでした。

そんな私も本を捨てようと思ったことがあって

本を捨てようとするときに考えるのは、たとえば遠くに行くことにして、長い間帰ってこないとする。本は現地で調達できるけれど連れていける本、持って帰られる本は少ない。

そのとき私はどの本を選ぶのだろうか。

  1. 最後の授業
  2. 羊をめぐる冒険
  3. 異邦人

多分このあたりかなあと思います。

厳選しなくちゃと分かっていても、本は捨てられない。本にはそれぞれの思い出があって、古本には私の知らない歴史があって。でもいつかはさようならしなくてはならないから。そんなノスタルジックな事を思いつつ、本の塔を睨み付けるのでありました。(文章や洋服は平気で捨てられるのに、本は1冊たりとも捨てられたことはない)