怒ることをやめた日

数年前まで大阪の新世界の近くに通っているお店がありました。そこのママはとても上品なのにざっくばらんで、ビールと一緒に出てくる小鉢に入った料理も美味しいのでよく通っていました。

「怒るというのはね、期待の表れなのよ」

愚痴をこぼした私にママは言いました。ママは何でも話を聞いてくれますが、違うことは違う、私はそうは思わないとハッキリと言う人です。怒るということは、相手に期待しているということで、相手にこうしてほしいああしてほしい、わかってほしいという気持ちの表れだということをママは言いました。

その言葉が忘れられなくて、そう考える習慣は今日まで続いています。何か嫌なことがあったとき、一度抑えて、自分が相手に何を求めているのか考える。それがいかに幼くて、ワガママかを自分の中でよくよく考えると嫌だという気持ちがスッと消えていきます。

ある人に「あなたは愚痴を言わないから偉いね」って言われたので、ふとそのときのことを思い出しました。