本音はドラレコの復元作業なんて受けたくない

本音がデカデカとタイトルになってしまっていますが、本業のサービスメニューとして展開している以上は、ちょっとくらい包み隠さないといけないのかな。

もう何年も前になりますが、とある時期から爆発的に依頼が来るようになったドライブレコーダーの動画データ復元依頼。

当時はまだドラレコそのものがさほど普及しておらず、弊社としても創業以来の姿勢で「なんでも来い」という意気込みであったがゆえにドカンと増えてしまいました。

ところがドライブレコーダーってのは単純に復元できるデータを取り出したところで、ご依頼主の欲しいデータであるかどうか判別するのが至難の業。いやもうぶっちゃけて言えば同意のもとですべての動画を目視確認しないかぎり必要なシーンが出てきているかを機械的に判断することはできないのですよね。

そのため、弊社が通常提供しているデータ復元サービスと異なりドライブレコーダーの復元サービスだけは記録内容を閲覧することが前提となってくるわけで、そうなるともう何十時間・何百時間と溜まっているどうでも良い動画を確認しなくてはならなくて、人海戦術でしか対応できなくなります。

■事故じゃない目撃シーンがあり

ある程度は時系列的に選別できる状態であれば、対象が事故であれば警察官なりギャラリーなりが写っているシーンを起点に探すという手段が使えるわけなのですけれど。

事故ではなくて「迷惑な運転を目撃した」というシーンを復元する場合にはそもそも起点すらわからないわけで探すのに骨が折れまくります。

■さらに浮気調査目的もあり

これがさらにハッキリと目視できる事故シーンや迷惑な運転シーンなんかだったらまだしも、浮気調査のように映像が目的ではなく「車内での会話の確認」が主目的で依頼されている場合には作業量は倍では済みません。

それこそ、何倍速もかけて確認しているとちょっとした音声は聞き逃してしまう恐れもあるわけで、場合によっては等倍速での確認など慎重に進めることになります。

■というわけで別メニューへ分割

そんな未来が予測できる時期にさしかかったとき、ずいぶんと思い悩みながらも「検査料金」というハードルを設けてみようじゃないかという方向になりまして。

もともと創業の意思が「単純な料金体系と成功報酬制」なわけで、複雑になる上に成否もわからない段階で料金が発生するのはいかがなものかという心理的抵抗感も強かったのですが。

結論から言って、依頼者の負担にならない程度のハードルを設けることでまず依頼すべきかどうか考えてもらおう、ということに。

そしてそのまま年月は流れ、ある程度のハードル効果は出ているのであろうと思いつつもやはりドラレコ案件に食われる時間はかなりのものです。

何度か検査料金自体も見直してはいるものの、依頼者の負担にならない程度(=こちらの儲けにならない程度)ですので、成功しない案件は負担が大きい・・・

■そもそも復元依頼など不要なようにするには

必要だったシーンがいつの間にか消されてしまっている、ということさえ無ければわざわざウチのような復元業者がでしゃばる必要は無いわけです。

そうするにはどうしたらよいか、まずダメなことを列記していきましょう

・定期的にフォーマットしていない

めんどくさいですよね、月イチや年イチでSDカードをフォーマット(初期化)するだなんて作業。しかもフォーマットしたら以前のデータが消えてしまうわけですから若干の心理抵抗なんかもあるかもしれません。

ですが、これを怠けていることでカード内にファイルとして認識されないゴミデータが蓄積していきます。あと不要な衝撃センサーでの保存データも溜まってくることでしょう。これが増えると言うことは本来記録できるメモリ領域を圧迫してくることになります。

・衝撃センサーを調整していない

機種にもよるとはおもいますが、肝心なのは設置位置ですね。

通常走行でちょっとした路面の段差だけでも衝撃センサーが働いてしまうような設置だと、本来必要なデータを記録できなくなりますので注意しましょう。

・何年も同じSDカードを使い続けている

SDカードは消耗品なのです。さらにドラレコというのも過酷用途です。この2つの相乗効果(?)でカードには物理的なダメージが蓄積し続けます。これが日常です。

じわじわと正常に記録できる領域が減少していることに気づいた時にはすでに遅い・・・のかもしれません。

・カードの抜き差しが頻繁

とくに「頻繁にしちゃいけない」わけではないのです。ですが人間のやることですから抜き差し時にカードをまっすぐ扱えず曲げ圧力をかけてしまいがちです。

microSDというのは非常に内部構造が脆いです。人間の目でみてもわからないくらいの曲がりでも内部的には致命的損傷になっていることもしばしば。

■どんなに大容量のカードでも無駄になる

前述のようにSDカードの扱い方によっては、どんなに大容量のカードを高い値段で買ったとしても無駄にしてしまっているわけです。

ですので復元屋さんとしてホントに言っておきたいことは「定期的にフォーマットしましょう」「定期的に買い替えましょう」という2点に絞られます

それを励行するだけで、万一の際にもウチのようなところに復元依頼をかける必要が無くなってきますから、トータルで見ればきっとオトクなはず

■数年前のメーカー検査時の映像が出てきたり

さて、そんなメモリ領域を圧迫しているデータのなかには利用者さんの見知らぬはずのものも含まれていたりします。

よく目の当たりにするのはセルスターさんでしょうか。
隠しパーティーション内に独特なヘッダーを付け動画データを隠す構造になっていたりするメーカーがあるわけですが(一般的な復元ソフトでは見つけられなくなりますが、そもそも隠す意味が理解できないのですけれど)。

位置情報まで記録されているので座標検索すれば同社の工場が表示されたりします。

日付からして復元対象のさらに数年前の撮影データですし、きっとメーカー出荷前の動作確認なのでしょう。棚とか窓の外とか天井とかの景色が延々と何時間分も復元されて出てきたりするとちょっとななか懐かしい(古巣の電機メーカーの実験室を思い出すような風景だったので)。

でも冷静に考えると、そんな風景が何時間分も復元されるということはそれだけメモリが圧迫された状態でお使いになってたわけですから、そりゃあっという間に上書きされてしまいますよね。

これも、本来なら月イチや年イチくらいでも良いからSDカードをフォーマットしていればもっと状況は改善されていたはずなのに、もったいない話です。(最近では勝手に定期的にフォーマットしてくれるような機能を搭載したものも出てきているようですので積極的に活用したいですね)

長くなりましたが結論「ドラレコのSDカードは定期的にフォーマットしましょう」ということで。


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