M4 MacBookAirを使い出してから

すごいなあ、はやいなあ、一瞬M4 MacBookProにしようかと思ったけれど私のようなインターネット老人会がお似合いのお年寄りにはM3 Airですら持て余すわきっと。

そんなことを思いながらもちょうど購入を決めたタイミングでM4 MacBookAirが発表されたので、流れに乗っかって購入予約。
届いたM4 Airに触れてみるともう、わたしの時代に置いてかれぶりをとても実感してしまうパワフルさ

Appleってちょこちょことデザインを変えて利用者に「覚え直す」という負担を強いることが無いのが好きだけれど、できることは格段に増えているし、しかも使われやすさをより真面目に考えている。

13"MacBookAir M4

・キーボードがちょっと変わった

よーく見ると、かつてF5・F6のところにあった「キーボードライトの明るさ調整」が無くなり、マイクと集中モードに代わっている(このあたりはずいぶん前から変わっていたらしいが)。ついでにF4のLaunchpadもSpotlightになった。

F10のところのスピーカー(消音)のマークも斜め線が入っていて意味がわかりやすくなった。

そして、スペースバーの左右「英数」「かな」だったキーが「ABC」「あいう」に代わってより直感的にわかりやすくなったというか、絶妙な変更だとおもう。

個人的に一番嬉しいのはカーソルキーの左右がハーフハイトになったこと。これはM4よりもうんと前に改良されていたが、12″ MacBookのフルハイトのキーが使いにくい(どこにカーソルキーがあるのか触感でわからない)と思う際たるところだったので本当にありがたい。

キーボード部分

・電源アダプタが嬉しい

標準の35Wアダプタだけれど、USB-Cの口が2つ

同梱のUSB-C – MagSafe3ケーブルはそのうち1つに接続するだけなので、もう片方はご自由に活用くださいというところ。

たとえばC – Cケーブルを伸ばしておいてiPadなんかの充電用としておくのもアリかも。欲を言えば片方はAコネクタのほうが助かる機会が多そうだけれど、でもきっと2年もすればそんな事つゆほどにも思わなくなっていると思う。

標準のACアダプタとケーブル

・ひさびさのMagSafeはやはり快適

長らくつかった12インチMacBookのさらにその前はMacbookAirだった。たしか2012年くらいの11インチモデル(好んで使うラインアップがことごとくディスコンになっていくなあ)。

このときに初めて充電ポートがマグネットって?!と驚いたものだったけれどすぐにその便利さに馴染んでしまった。

12″ MacBookへと乗り換える際に一番の不安要素だったのは、今になって思い返せば充電ポートがUSB-Cになってすぐヘタってしまうかもしれない懸念だったが丸っきり問題にならなかった

そして、なくても困るものではないものの、LEDが「充電中だよ」「充電完了しているよ」という状態を表してくれるのも安心感に繋がるもの。

MagSafe部分

・ロック画面が動いているぞ

開梱して初期設定を一通り済ませてみるとロック画面が動き出した

別にM4だからというわけではないのだろうけれど妙に感心した。こんなところを動かそうという発想があることが驚き

こういう「どうでもよいところ」で気分を上げてくれるんだよな。今どきのWindowsのハードウェアだって簡単に真似できるはずだし、Ubuntuなんかでもできるであろうことだけれど、やろうという発想がないよね多分(私が知らないだけだったらゴメン)

・カメラがあるなぁ

スマホのおかげですっかり慣れたけれど画面の上部にカメラがある。

なんて言うんだっけ?ノッチだっけ?アイランドじゃないよな。それぞれの言葉の定義がいまひとつ理解できていない。

そのぶん上部のメニューが隠れてしまうのかな?と思ったけれど必要のない心配だった。ちゃんとソフト的に隠れている空間はそもそも存在しないものとして避けてくれている。

そして、そのカメラの画質もとっても向上している。よくTeamsやdiscordのミーティングでカメラを使うことがあるけれど明らかに画質がいい

しかもセンターフレームにも対応しているので、つねにイイ感じで自分が中央に写るようにリアルタイムに調整してくれている。なんなら手元も写せるらしい。個人的には使うシーンが思い当たらないが、カードゲームでもできるか?

ノッチ部分

・外出先での電源確保は

バッテリーが充分すぎるくらい持ってくれるので必要性は今のところ感じないけれど、電源入力がMagSafe3になったことでACアダプタか専用ケーブルを持ち歩かないといけなくなるかな?なんて思ったりもしたものの・・・

ちゃんとUSB-Cコネクタ(Thunderbolt4)からの電源入力にも対応しているようで、立ち寄り先にACアダプタやケーブルを配備しておかなくっちゃ、なんて心配はまったくいらないっぽい。

でも私はうっかりさんなので「USB側とMagSafeの両方から同時に給電しちゃった場合にはどうなるの?」と念の為にアップルさんに直接問い合わせた結果、

同時に接続した場合はより供給電力の高い側からのみ給電されます、とのこと。

さすがちゃんと考慮されている。こういう細かいことをWEB上に書いてもいないところは相変わらずで、細かいところは技術側で吸収するからユーザーは余計なことに気を使わず活用する事にだけ神経を使えば良いぞ、というAppleからの長年のメッセージのようにも思う。

・余談だけれど

主力のノート機をM4 MacBookAirへと徐々にアプリの整理をはじめつつ、もとの12″MacBook から使わないアプリやファイルを追い出していく過程で気がついたのだけれど、とても12″MacBookがスカスカと軽快に動いてくれている

特にキー入力まわり、ライブ変換なんぞとても重たくひきずられる感覚があったので当初からオフにしていたものだったけれど、試しにオンにしたら普通に使えてしまうくらい。

いまだに500GBのSSDの半分くらいの領域を占めている「なにか」の正体はつかめていないものの、1台のノートにいろんなアプリを放り込んでしまうのは酷だったのだろうなと改めておもう。

バッテリーはさすがに長年の使用で消耗していて、過去に1度Appleで交換してもらっているけれども再び「修理推奨」という表示が出たまま。これはしかたない。

購入当初はたしか筐体の隅々までバッテリーを搭載しているバッテリーお化けみたいな印象の12″MacBookだっただけに、たとえ消耗していてもまだ散歩のお供くらいには充分な余力を持っているのがすごい。

・Apple製品を3つ以上持つならAirPodsが便利

手持ちのAirPods pro

そして、Apple製品の強みを間近に体験するのはやはりAir Podsが一番かもしれない。

個人的にはあれこれとBluetoothイヤホンを買って使ってきたけれど、はっきり言って接続する端末を変えるたびにペアリングしなおすのは面倒できらいだ。

その点、AirPodsの良いところをさらに体感することになったのだけれど、M4 MacBookAirで使えることを確認したあとでも、いままで通り無印MacBookにもつながるし、iPadにもiPhoneにも再ペアリング操作など不要で使いたい時にちゃんと繋がる

そう、使いたいときに余計な手順をなにも考えないでいい、この手軽さは一度体験するとやめられない。

・お仕事環境の作り方も変わってきたか

一通りの環境移行が落ち着いたらいちど12″ MacBookも初期化してしまおうかな。そうしたらとても軽快なサブ機になるかもしれない。

その気になれば12″だけれどネイティブ 2304×1440や最大 2880×1800での表示もできるわけで(文字が小さすぎて読めないので1440×900にしているけれど)デスクトップに負けていない。

でもやはり1台のPCになんでもかんでも担わせるというのは結局のところもっさりとする元凶でもあり自分の首を絞めることになってしまっているのだろうと反省。

いまどきだとローカルでの処理にこだわる必要性も薄れ、自前のサーバーにRDPするなりなんなりしてもっとパワフルなCPUやGPUに処理を丸投げしてしまうような使い方をしやすい環境が整ってきたような。

通信環境も手軽に5Gによる高速通信もできるようになってきたし、費用にさえ目を瞑ることができるならクラウド上に強力なVMを準備してもいいのかもしれない。

そういった環境構築の変化というものも、そろそろ個人的に受け入れないともったいないのかもしれないなあ。


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USBメモリが壊れる前兆

職業がら、すでに壊れてしまった状態のUSBメモリやSDカード類を拝見することは非常に多いのですが、それと同時によくご相談いただくのが

SDカードやUSBメモリが「壊れる前兆」はどんな様子なのか?という内容。

正直言って、そんなものが本当に察知できるならば予防動作や緊急退避的な動作も機械的に実現できるのですが、現実には難易度が高く、おかしいな?と感じたときにはすでにかなり壊れてしまっているのがメモリストレージ類の特徴でもあります。

USBメモリやSDカード

■あえて前兆と言える現象

冒頭で、壊れ始めていることを実感した時にはすでにかなり壊れてしまっていると書きました。

ですがあえて経験則のなかで「使い続けると酷い状態になりそうだな」と感じる直前の症状を前兆と緩く定義するのであれば以下のようなことが挙げられます。

  • PCに接続したときの反応がいつもより遅く感じる※1
  • ファイル名やフォルダ名が文字化けしてる
  • フォルダを開こうとしたら遅い※2
  • フォルダのはずがファイルアイコンに変わってる
  • ファイルを開こうとしたらウィンドウが閉じる
  • ファイルを開こうとしたら固まる
  • ファイルを開くとPCが落ちる
  • 写真を開くと画像が崩れたりベタ塗りになっている
  • 動画を開くとノイズが多かったり再生できない
  • ファイルパスが見つからないとエラーが出る

ざっと思い当たるだけでもたくさんの症状があります。

■反応がいつもより遅い

そのなかで※1※2の「遅い」ですがご利用者さんの普段お使いの環境で”いつもより遅い”と感じるほどの差があるかどうかがポイントになります。

あえて数字で表現しようとすれば「5〜10秒を超えるほど」遅ければ確実に異常が発生していると予想できますので、そのままずっと繋ぎ続けることは避けたほうが安全です。

時計イメージ

応答が遅いということはUSBメモリやSDカードの内部でなんらかの物理破損が原因で応答遅延が生じている可能性が高いため、通電をつづけたり過度なアクセスを続けると急激な状態悪化を招き復元不可能な状態に至ることも考えられます。

できるだけ速やかにパソコンなどの機器から取り外しておくことが大切です

■アクセスすると異常動作

そのほかの症状でも、特定の領域に記録されているファイルを操作しようとしたとたんに固まったり、ウィンドウが閉じるなどの異常動作をする、といった様子であればメモリからの応答に異常があることでOSの動作が想定外の動きとなっていると考えられます。

この場合も、破損しているメモリ領域にアクセスを続けると確実に悪化しますから取り外しておきましょう

■文字化けやノイズ発生

破損により写真データがグレーに

ファイル名やフォルダが化けたり、またはファイルの中身が壊れて正常に表示できない(またはノイズだらけ)といった症状も単純にソフト的な誤動作ではなく、正常にデータを保持できていないメモリが存在していることを表します。

破損によりファイル名などが文字化け

この不具合そのものがデータを格納している領域に発生すれば、写真や動画などのファイルが正常に表示できなくなったり、はたまたファイルを管理している領域に発生すれば、ファイル名などが化けたり消えたりフォーマットを促されたりといった現象になります。

破損によりフォーマットを促される

これもすでに正常に読み取れないメモリ領域が発生しているため(すでに記録してある情報が消失していたりすることから)、何度もしつこくアクセスを続けるようなことは避けるほうが賢明です。

しかし私を含むアナログ世代の方々はつい”接触不良かなにかじゃないか”と考えてしまいがち。そしてなんども接続・取り外しを繰り返したり、SDカードの場合には接点をこすったりといった対処をしてしまいがちです。

ですがそんなアナログ時代の対処方法をSDカードやUSBメモリのようなデジタル機器に適用すると大抵の場合には逆効果になりますので、できる限り接点には触れないようにご注意ください

■メモリイメージを取得しょうとしたら完全に壊れる

蛇足ですが、当社内の実験環境でもカード破損を発生させるために過酷な条件でのテストを実施しております。

その一環でメモリ破損の症状が現れたSDカードに対し、状態を記録するためにメモリイメージを取得しようと操作すると特定の領域をリードした途端にカード全体の応答が無くなってしまったという事例が複数回観測されています。

そのため内部メモリ状態によっては値を取得しようとしただけでも致命的な状態へと悪化させてしまう場合もあるのでくれぐれもご注意ください(一般的に復元ソフトなどでサルベージ作業を実施すると間違いなく不具合メモリ領域を踏むことになり、復元できたはずの領域にまでとどめを刺すことになります


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iPhoneでSDカードやUSBメモリを使用する方法は

操作説明などの際によく質問のある「iPhoneでSDカードは使えるんでしょうか?」という点ですが、答えは明確で「はい、使えます」ということになります。

■ただしパソコンとはちょっと違う

ただ、ちょっとでも齧ったことのある方ならば「たしかiPhoneってSDカードは内蔵できないから外付けにしないといけないよな」とか、外付けにしようにもLightningという端子なのでつながらないよな、といった疑問が湧くことと思います。

※iPhone15以降はType-Cというより汎用性の高いコネクタを使うように変更されましたので、アダプタを挟む必要もなくなり、より簡単に接続できるようになりました

さて、このLightning端子にカードリーダーやUSBメモリをつなぐには間にひとつ変換アダプタを挟んであげる必要があるのですが、Apple純正品としては「Lightning – USB 3カメラアダプタ」(税込6,180円)というものがあります。

もちろん、純正品でなくてもAmazonや楽天市場を探せば似たようなものがたくさんでてきますが、極端に安価なものは動作安定性に問題があると思うので避けたほうが無難でしょう。

このアダプタですが、パソコンなどでも標準的に使われているUSB Type-AのポートがありUSBコネクタを持つ機器をLightningポートを持つiPhoneやiPadに接続できるよう変換してくれます。

さらにアダプタ自体にも電源供給用のLightningポートがあるので、比較的電力を多く消費するUSB3.0のUSBメモリやポータブルHDDを接続したいときには外部電源供給の役割も果たしてくれとっても安定して動作します。

このアダプタを挟むことで、パソコン用と共通のSDカードリーダーを接続したり、USBメモリを接続したり、あるいはMIDI鍵盤なんかも接続して使えたりします(マウスやキーボードやマイクは試したことがないですが物理的には繋がります)

■で、どうやって使うの?

さてこのアダプタを使って物理的にUSBメモリやSDカードが繋がったといっても、そこから先どう操作したら良いのか戸惑うという方はけっこういらっしゃいます。

そこで一例ですが、たとえばUSBメモリの内容にアクセスして表示するにはどうしたら良いかという手順を講習会ではリクエストされることが多いわけなのですが、その時にはよく手持ちのUSBメモリを使って次のように説明しています。

(1)Lightning-USB3カメラアダプタをiPhoneにつなぎ、アダプタのUSBポートにUSBメモリを接続する

常にポケットに入っているUSBメモリがたまたまUSB3.1仕様のType-A/C共用なので、Aコネクタを接続します。もちろんここにSDカードリーダーをつないでも手順は同じです。

場合によっては、iPhone側の画面になにやら警告のダイアログ表示が出てきます

見ての通り、接続したUSBメモリの消費電力が大きすぎるのでそのままでは使えません(USB3.xの場合にはだいたいこんな表示が出ます)

そこで、

(2)普段iPhoneを充電するためにACアダプタにつながっているLightningケーブルをこのUSB3カメラアダプタの空いている側のポート(Lightningポート)に接続し、念のためにiPhone側のLightningコネクタを一旦外して接続しなおします。

これで、警告ダイアログが表示されることもなくなりました。

ですが、ここから先どうやったら良いのかわからないという方が多いようです。

(3)iPhoneでSDカードやUSBメモリの内容にアクセスするには最初からインストール済みの「ファイル」アプリを使います。

「ファイル」アプリを開いて、画面下部の「ブラウズ」と書かれている部分をタップすると、場所と書かれた一覧表示が出てきます。

接続したUSBメモリやSDカードがちゃんと認識されている場合には、この場所一覧のなかに接続したメモリやカードの名前が(今回の場合はUSBDUALと名付けているUSBメモリなので)一覧に追加されるので、その名前をタップすることで中身にアクセスすることができます。

このたった3つの手順でSDカードやUSBメモリ内の写真や動画などいろんなファイルにアクセスして表示させることができます。

もし、場所一覧に表示されていないようであれば正常に認識されていないため、原因をさぐる必要があります。

原因として多いのは「電力不足」「純正以外のアダプタで正常に動作していない」「USBメモリやSDカードが壊れている」といったことが挙げられます。

■中身を閲覧するだけではなく

正常に中身を閲覧できるようになると、ファイルアプリを使ってUSBメモリや SDカードに記録されている写真や動画データをiPhone本体にコピーすることもできますし、その逆にこんどは「写真」アプリで「”ファイル”に保存」というメニューを経由してUSBメモリやSDカードへ書き込むこともできますので比較的自由度は高いのですが、ちょっとだけ操作のコツのようなものは理解しておく必要があります

ここまでの手順はiPhoneに限らずiPadでも同様で、ついでにLightningではなくUSB Type-Cポート搭載のiPhone15以降やiPadシリーズでも同じ手順になりますので興味のあるかたは試してみてください。


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SDカードメーカー別の壊れやすさと復元率

先日、本家サイトの側で過去5年ほどの修復カルテをもとにSDカードやUSBメモリのメーカー別に壊れやすさや復元しやすさが異なるか集計してみた記事を掲載したわけなのですが、皆様の予想通りではないかと言うくらいみごとにメーカー別の優劣が数値として現れていました。

メーカー別の症状と復元率のグラフ

もっとも、しつこいくらいに書いてますが世の中に出回っている数が多ければ多いほどうちの会社に寄せられる復元依頼は多くなるわけです。そしてどんなメーカーのものでも品質が均一化されているとすれば、絶対数が多くなればなるほどいろんな症状のものが平均化されていくはずなのですよね。

ですが実際に預かる機会の多いメーカー上位数社で比べてみると症状や復元率に偏りが出てくるわけで、これは現場でも肌感覚として「あっ、このメーカーのSDだと下手な下調べをしたら危険だから先にこの手法で取り組まないといけないかな」などというモノと概ね一致してきます。

※余談ですがこの下調べでWindowsパソコンにつっこんじゃう大手復元業者さんがいらっしゃいまして、そのタイミングでSDカードに上書きされたSystem Volme Infomationの値が残ったまま弊社に転送されてくるなんて事例がわりとあります。ドコとは申しませんが仮にも復元事業者が知らないはずは無いと思うのですが。

■販売メーカーは数多くあれど

有名どころとしてはSanDiskを筆頭に、TOSHIBA(現 KIOXIA)TranscendELECOMBUFFALOI/Oデータは少なくとも日本国内ではよく見かけるメーカーですね。

そしてそれに続く感じでSONYVerbatimKingstonGigastoneSAMSUNGSiliconPower(SP)あたりが量販店で入手しやすいメーカーでしょうか。ネット通販を漁ればもっともっと馴染みのないメーカーのものも多く存在しますし簡単に入手できてしまいます。

電子部品業界に詳しい方ならば実際にフラッシュメモリを製造しているメーカーは数社にすぎず、数多くある販売メーカーは製造メーカーから中身を購入してパッケージングしているとご存じかとは思います。しかしたとえ製造するメーカーが数社であっても納入先の要求にあわせた価格と合致する品質基準が存在するので、スペックが同じでも厳密に中身が同じということはありません

そしてその違いが最終的にメーカー別の品質、いわゆる壊れやすさやその症状の偏りとなって表れてくるのではないかと予想できます。

■極論すれば「運」ですが

どんなに信頼性の高いメーカーだろうが、どんなに聞いたことないメーカーであろうが、利用者個人としては不具合にあうかどうか(=初期不良品や潜在的不良品にあうか)は運しだい。

100%大丈夫なんてことはどんな高信頼メーカーでもあり得ないわけです。

とは言え、100個中1個の不良品が混ざっている棚から商品を取りたいか100個中50個の不良品が混ざっている棚から商品を取りたいか、という違いにはなってきますから、ご自身の運にぜったいの自信があればどちらから選んでも良いですがそんな強靭な運ならもっと他のことに使いたいですよね

ですので購入する際にはどこのものを買うか(メーカーの選別)どこから買うか(販売店の選別)いくらで買うか(激安処分品でないものを選別)というのは大切だと思うわけです。

※とはいえ、ウチは商売あがったりな状態になっちゃいますがね…

■こまめなバックアップコピーは必須

前段でも書きましたが、どんなに信頼性に期待できるメーカーの製品であっても壊れる時は壊れるもの。さらには使えば使うほど操作ミスや機材アクシデントで内容が化けてしまうなんてこともあるのがSDカードの世界。

ですからバックアップコピーはこまめに取っておいた方が良いのは言うまでもありません。

このバックアップコピーですが、特に難しいアプリケーションや操作方法を指す言葉ではなくて、単純にほかの記録媒体にコピーしておくだけです。

むしろ気をつけないといけないのは「コピー」のつもりで「移動」操作をしてしまうことです。この「移動」は以前はカット&ペースト(=切り取り&貼り付け)と表現されていたように移動元のデータを削除してしまう操作になります。

最終的にはコピーが取れたらSDカード内は空っぽにしたいという意図の方も多いと思いますが、意外にも「移動」操作はトラブルの温床であって、ちゃんと移動が完了しないままプロセスが完了したように振る舞ってしまうことがしばしば。

こうなると、コピーしたはずの媒体には正常にコピーできていなくて、なおかつ移動元も自動的に消えてしまっているのでお手上げということになってしまったご依頼が後を絶えません。

ほんのひと手間を惜しまず、コピーが完了したことを確認してから元を削除しましょう

■復元ソフトが破壊を進めることも

ここからは余談ですが、SDカードなどが壊れたらできれば「自分で」「安価に」直したいという方は多いですよね?

ところが復元事業者として日々いろんな状態のメモリ状態を見ていると、復元ソフトを試したがゆえに復元できなくなっているものも目の当たりにするわけなのです。

ある程度以上パソコンなどでのストレージ操作に精通されている方であれば「ソース」「デスティネーション」と聞いても自然と対象を判断できるのですが、そうでない方だとたとえ普段のパソコン操作に慣れていたとしても聞き馴染みがない言葉ですよね

ところがこれ、実は検査対象と保存先を表すとても重要なシーンで使われている場合が多くて、指定を間違えると無意味なデータで復元したい対象メモリを盛大に上書きしてしまいます

そのほかにも、WindowsだとCドライブとかDドライブとかいった言葉でストレージを区別しますが、これもWindowsという狭い世界に限定された話。いくつもつながっているストレージ(=ドライブ)を区別する言葉はたとえば/dev/sdaなんて感じで表されるほうが多いですし、/physicaldevice〜〜とかいった表示で判別するひともいるかもしれませんが、これらも同様に指定を間違えると取り返しがつかない状況にあっという間に陥ります

■さらには利用者の誤解による上書きも少なくない

そしてさらに最近増えている質問が「フォーマットをしてマウントできるようにすれば復元しやすくなる?」という恐ろしい誤解。そりゃ「フォーマットが必要です」なんていきなり表示されたらフォーマットしたくもなりますわな。
それに、たしかに一部の能力が低いソフトではOS管理下で動作するように組まれているのでマウントできないとそもそも動作できない事からこういった誤解が生まれてくるのかと予想します。しかしそもそもOS管理下で動作するということはそれだけOSの影響を受けてしまうわけですから純粋に高精度の復元など期待できません

復元できないだけならまだしも復元ソフトには外部計測値や経験則などが反映されず単純にプログラムされた通りにしか動作しないわけですから、物理不良領域が含まれているものにもドカドカと土足でアクセスしようと踏み込んでしまいますこれが致命的に物理不良を進めてしまう原因になることもしばしば。

ほんとにメモリにダメージを与えずに安全に復元しようとするならば、外部から応答速度やその波形など逐一反応を計測しながら慎重に行わないといけないのですが、それはソフトだけでは困難でハードウェアとの組み合わせは必須になってきます。

■上書きは確実に復元不可能な領域を拡げます

動画データ満載のようなシビアコンディションでない限り少しの上書きでは復元率はさほど低下しません。が、しかし、それを繰り返せば繰り返すほど確実に復元できたはずのメモリ領域をかきまわしてしまうこととなり、そのあとでいかなる機材を用いようがフラッシュメモリである以上は復元できなくなる割合がどんどん拡大し続けます

余談が3ブロックとずいぶんと長くなってしまいましたが、より安全なデータ復元のためにはぜひわたくし共にご用命いただければと考えます。


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