復元しやすさを意識した使い方

少しネガティブな方向から書くことになりますが、
SDカードなどを前提に「復元作業をしなくてはならない状態に陥った場合」を考えたらどういう使い方が理想か、という話になります。
これは言い換えれば「復元作業が効率よく素早く行え、復元率も向上する使い方」ということになります。

SDカードなどの物理不良が重度に進行していない限りは記録されていた情報というのはかき集めることができます。
ただし、このかき集めた情報を個々に正しく再配置して「正常なファイルとして」完成させることができるかどうかは大きなノウハウが必要になるポイントです。

新品のカードに単純に写真などのデータを記録していっただけであれば再配置で困った事になる確率は低くなります(皆無にはなりませんが)。
ですが、長期間利用しているうちに取り損ないの削除や編集、あるいはフォルダ分けやコピーなどのファイル操作を行えば行うほど実際に記録されるメモリ領域はあちこちに分散していくこととなります。

データ消失などのアクシデントが発生していない正常な状態であれば、いくら記憶域が分散していようがちゃんと個々のファイルがどこにどうつながって記録されているかという情報があるので問題になることはありません。

しかし、ひとたびアクシデントが生じてこの記録のつながり方の情報が失われてしまうと、単純に実態データをサルベージしただけではファイルの連続性が失われてしまっていて、たとえば写真データであれば「下半分がグレー表示になってしまう」などのわかりやすい状況に陥ってしまいます。
そしてこの現象は、同じカードを長期間使い込めば使い込むほど顕著に表れてしまうこととなります。

こういった、復元作業でも正常に修復しにくくなってしまうリスクを避けるためには、普段のカードの使い方を少し意識しておくと良いと言えます。

その使い方とは、
・こまめに消しながら使うことをせず、不要なデータもそのままにして撮り続けるほうが良い。
(これは、単純に操作ミスで1消去のはずが全消去をしてしまったという事態の防止にもなります)

・パソコンなどにデータをコピーする場合にはカード内のデータをまとめてごっそりコピーしてしまう(データ移動をしてカード空き容量を確保したい場合)

・撮影ごとにカードを空にして次の撮影に挑むという使い方をされている場合(職業として撮影されている方はこのパターンが多いですね)、数回に1度くらいはカードの完全な初期化やイレース処理をするというのもおまじない的に良いかもしれません。(記録域の断片化が解消されることが期待できるため)
※もちろん必要なデータが全て手元にコピーされていることを確認してからですよ!

以上のようなことを少し意識して使っていれば、いざという時の復元率の向上にも直結します。
普段からいざという時のことを考えるのはとても憂鬱かもしれませんが、頭の片隅にでもおいていただければと思います。