年末年始ごろより、特にmicroSDXCの64GB品でのデータ救出依頼が急激に増えてきております。
弊社でお受けする依頼品の傾向といえば、市場での価格が手頃になってきた直後の製品でのトラブルというのが予想されるのですが、今回も64GB品が偏って増えてきていることから、市場価格がこなれてきたのでしょう。
つい先日まで32GBが増加傾向が顕著だなあと思っていましたが、すでに市場は64GBへのシフトしつつあるようです。
もちろん、microSDHCの32GB品はもう日常的にお預かりするようになってきましたので、すっかり市場での地位も築きあげたというところでしょうか。
昨年初旬ではこの32GB品の実際の使用程度は概ね50%未満という使い方(つまりは空き領域が大半)が多かったのですが、そろそろ32GB品でもいっぱいいっぱいまでデータを保存されているようなものが増えつつあります。
これもほんの少し前までは32GBのカードをいっぱいまで使うようなのはプロかハイアマチュアのカメラマンさんのRAW撮影データでの救出要請が多かったのですが、いま現在は動画データが多く容量をくってしまう傾向もみえつつありますね。
しかし、やはり各メーカーさんはいまだにアナウンスしてくれていませんが、フラッシュメモリ媒体に長期間のデータを保存することがいかにリスクと隣り合わせかということは全く徹底されていないようです。
32GBともなると写真データ(JPEG)のみで考えると数年分くらいは余裕で格納できてしまいますから、実際にお預かりしても5〜7年前くらいまでのデータが集約されて保存されていたというケースは本当に多いです。
さて、実際の64GB品はどうよ?というところも気になりますよね。
いま現在お預かりする傾向が多いのは、銘柄としては非情に定番でメジャーと呼ばれるメーカの製品と、もう1つは某携帯キャリアのカラーのものがダントツで多いです。おそらくはスマートフォンの販売とあわせて激しい売り込みをされているのかなと予想します。
まだ販売から日が浅いものも多いと思われ、うちでお預かりする32GB品よりは多少は破損程度が浅い傾向があり、おかげで復元率もかなり高めに出てきています。(どういうわけか32GB品は限界を超えて使い続けられたような、あるいは復元ソフトなどで激しいアクセスを繰り返したのかもしれませんが、破損程度が大きく進行したものをお預かりするケースが多いです)
ただこの傾向も初期段階だからという予想を立てることができますので、これからより使用期間が長いものが増えてくると32GB品と同様の傾向を示してくるのではないかと考えられます。
それにしても大容量のメモリの普及の速さには目もみはるものがあります。
弊社でも検査機材の拡充に努めてはおりますが、なにせ検査するメモリ空間が検査機材の設計当初の10倍や20倍といった容量になってきているので、検査にかかる時間もそのぶんリニアに増加してきています。
できる限り価格水準は低くおさえるようにしておりますが、それでも検査時間にかかるコストだけは頂戴しないと事業として成り立たなくなってきてしまうところがいま現在の大きな課題のひとつになってきております。
株式会社パソコントラブル救助隊で公式サイトを含めたウェブマスターを兼任しています。
趣味はカメラとぶらり散歩。フォトマスターは2級。日々感じたことを忘れないうちに雑記帳に書いています。