本との出会いは偶然の産物で

本との出会いって偶然の積み重ねだったりする、とよく思う。

旅先で出会った本が絶版モノだったりとか。だからネットで本を買うのも非常に手軽で良いとは思うのだけれど、本屋さんでの偶然も大切にしたいと思うのである。

今日はそんな偶然の出会いの話。

心斎橋まで用事で出かけて、ちょっと運動不足だったので一駅歩いてなんばまで歩いていた。ほぼ中間地点の道頓堀の少し外れの喫茶店(その喫茶店も少々変わっていてタバコが3本までしか吸えないと決められていた。)で当然長居することもできず、規定の3本を吸ってもう少し歩いた。

ジュンク堂という本屋に寄って帰ろうと思って、特に欲しい本もないんだけれど、寄ってみることにした。

二階の新書コーナーで面白そうな本を探っていたら、声を掛けられた。

この本ってどこにありますか?と尋ねられて、一緒に探すことになった。大きい本屋さんにある検索機から出てくる本の位置が書いてあるレシートのような紙を持っていた。

書店員のような身なりではなかったのだけれども、しっかりしてそうという理由で私に声を掛けたその男性は、本が見つかると感謝の言葉をかけてくれたのだけれど、ふいに話がはずんで、しばらくその本を抱えたまま話をした。

その本をパラパラとめくるとわかりやすく書いていて、私はその分野に全くといっていいほど疎かったので私も買うことにした。

私が全く行ったことの無いコーナーだったし、あの喫茶店がタバコが3本までじゃなかったら私はもっと喫茶店に長居していただろうし、そう考えると偶然の積み重ねが彼と出会うきっかけとなり、今こうしてその本を選んだのだろうと思うとある種の奇跡に近いのだろうと思った。

さて、早速読んでみることにしよう。イスラム国についてなんて昨日まで考えてもなかったのに。

振り返ってみると食事に誘われたから、あれはナンパだったのかもしれない。勿論、丁寧にお断りはしたのだけれど。