microSDをSDカードとして常用するのはヤメテ

やはり多いです、microSDカードをSDカードアダプタに装着して常用している事例が。

事あるごとに記事にしたりもするのですが、SDカードアダプタは品質のバラつきが非常に多く、単純に接点が多くなったり配線距離が伸びるというだけでも外的要因によるデータ破損で寄せられる案件が多くなります。

■汎用性高くなるから便利そうだけど

かく言う私も「小は大を兼ねる!」なんてmicroSDを重宝がってた時期がありましたが、やはりだめです、SDカードアダプタ常用だと壊れやすい

一部には迷信だと思われる意見も当然ございますが、データ復元業者としてお預かりする案件でも症状や使用スタイルを細かく伺ってみると傾向的に多いというのが実感できます。

やはりSDカードを使用する機器にはmicroSDカードを流用しないほうが潜在的なトラブル回避として有効だと、個人的な経験からも、職業的な経験からも思います。

とはいいますが、実はSDカードの形をして販売されているものの中にもmicroSDカードが実装されているものが存在します。
そのような製品の多くは激安で販売されている聞いたこともないようなメーカーのカードだったのですが、ここ数年弊社に寄せられる案件のなかには国内でよく聞くメーカーのSDカードでも分解するとmicroSDが入っているなんてことが散見されるようになりました。

もちろん中身にmicroSDカードが入っているからといって、SDカードアダプタのようにmicroSDを付け替えて使用するようにはできておらず完全に封入されています。

そのため外見上はSDカードにしか見えないように販売されています

あえてメーカー名は書きませんが写真にはバッチリ写っていますよね。ちなみにこの銘柄では16GBや32GBの製品でお預かりするケースが多いです。

このSDカード、さすがに詳細は語れませんが実は同じような症状で弊社に復元依頼が寄せられることが多いんです。

ご依頼いただいたお客様に伺ってみると、よく聞かれるチェーン店の復元サービスに出しても「物理不良」ということで差し戻されるか高額請求になるということで、パッケージに復旧サービス付きと書かれていても現実にはあまりメリットは大きくないのかなと穿った見方もしてしまいそうです。

■さて実際に分解してみますと

あらかじめ、他社で物理不良と判定されていることをうかがってのご依頼品なので即座に分解することになるのですが、外装を剥いで出てくるのはやはりmicroSDカード

ちょっと写真では見えにくいですが、青い外装の中央部分に配置されている黒い部分がmicroSDカードそのものです。

これは弊社だけではないと思うのですが、復元検査の工程としてはSDカードとmicroSDカードでは異なった設備機材が必要になってきます。
そのため症状によっては実質的にmicroSDカードだとできることが限られる場合もあります

だいいち、封入されているとはいえカードアダプタを使うのと同様に壊れやすい要素を抱えていることになるので、復元業者としてではなく一般利用者視点で考えてみてもけっして望ましい内部構成ではないなと弊社では思うのです。

■充実した製品群をもったメーカーさんですから

日本国内では名の知れたメーカーさんですし、私も個人的に同社のパソコン周辺機器は昔からたくさん使っているので、最初に同社製でそのような内部構造のSDカードに出くわしたときには「まさか!」という思いが強かったものです。

昨今でも物価高騰や急激な円安の影響をまともに被ってしまいやすい業界とは思いますが、さらにこれだけSDカード類の大容量化や販売価格下落の勢いが早いとコストダウンのために部品の共通化など涙ぐましい対応をされているのでしょうね。


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そろそろ2GBカードが設計寿命を迎えているかも

ウチのような会社だと、その時期その時期によってご依頼を受ける案件の内容に偏りがあることに気づくことがあります。

今年に入ってから特にその傾向が顕著になってきたなと思うのが、SDHC(4GB~32GB)でもSDXC(32GB越~2TB)でもはたまたSDUC(2TB越~128TB)でもないSDカード・microSDカード

規格上は2GBまでのものが純粋なSDカードになりますが、一時期ごくごくまれに4GBの容量を実装しているのにSDHCでないSDカードなんてものも見かけた覚えがあります。
どこにそんな需要があったのかと言えば、任天堂DSなんかのゲーム機で悪さをするための需要が強かったのじゃないかな?なんて記憶が定かではありませんが。

ファイルシステムとしては今どき標準となりつつあるexFATやそれ以前のFAT32でもなく、FAT16やFAT12といったあたりが採用されていますね。

■当時のNANDフラッシュは長期保持の実力があった

これは私見が入るのですが、まだ2GB以下のカードが全盛のころはSLCかあるいはMLCあたりのNANDフラッシュしか出回っていなかったので結構質が良かったと思います。

それこそ長期データ保持の実力はいまどきのSDHCやSDXCに採用されているようなTLCやQLCのように2~3年でトラブルが生じてしまうものよりも何倍もの耐性があったのではないでしょうか(理論上は何倍で収まらない数値になるかもしれませんが)

いまとなっては大した容量ではないですが、それでも当時の機器との組み合わせだと数千枚の写真データが収録できていたはずです。

microSDカード
手持ちにSDが無かったのでmicroSDのみ撮影

■放置されているSDカードがあったらすぐにコピーを

そしてその当時はSDカードやUSBメモリは「半永久的に保存しておける」という誤った認識が広がっていた時代でもありますから、撮影したままずっと放置していた方も相当な数にのぼるのではないでしょうか。

現実にはたとえSLCであったとしても当時の製造・実装能力まで加味すればメディア寿命はせいぜい10~20年。そしていま2022年はすでにそれらのカードが流通していた頃からすでに20年ほどが経過しようとしています。

もしも家の中にながく放置されているSDカードがあったら、撮りっぱなしのままのデータが残っていないかできるだけ早く確認し、大事な写真は他の媒体にコピーしたり印刷したりすることを強く強くおすすめします。


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64GB USBメモリの容量が32GBと表示される理由

USBメモリの中身
USBメモリの中身はこんな感じ

■USBメモリに限った話ではないけれど

タイトルのような症状はなにもUSBメモリに限った話ではなくて、SD/microSDカードでもよく目にする症状です。

さらに付け加えるならば、64GBに限らず例えば以下のように
128GB のはずが 64GB に
32GB のはずが 16GB に
16GB のはずが 8GB に
8GB のはずが 4GB に
4GB のはずが 2GB に

といった感じで、本来あるべき容量の半分程度しか認識されないというのは実はずいぶん昔からよく見かける症状の1つです。

■ソフト的な要因?

まずこの症状をみてソフト的に詳しい人であればパーティーション分割されていることを疑ったり、FAT32などのようにフォーマット形式が原因ではないかと疑ったりします。

たとえばWindowsをお使いの方ならば、まっさきに設定からディスクの管理を開いてみるというのが手慣れた方々の初動ではないでしょうか?

ディスクの管理画面
手慣れた方は見慣れているであろう画面ですが…

ですが、開いてみても期待したような「未割り当て」な領域が見当たらず、原因がわからない状態に陥ってしまうということも少なくないと思います。

■ハード的な要因?

ウチの会社のような、なんらかのトラブルが発症したSDカードやUSBメモリを日常的に扱う人というのはさほど数は多くはないかもしれませんが、現実によく寄せられてきます。

ハード的な要因の場合、使用者の手元で認知されている症状としては、

「フォーマットを促される」
「突然すべてのデータが消えた」
「カードエラーと表示される」

といった、カード破損の典型的な症状のどれか(あるいは複数)が現れるか、あるいは冒頭のように

「使っていないはずなのに空き容量が半分しか無い」

といった症状として現れていることもあります。

■実は昔からよくある症状

職業柄どうしてもバイアスがかかっているかもしれませんが、経験上はソフト的要因であることは希でありハード的な要因がほとんどではないかと思われます。

実際のところ、ソフト的に症状を再現することは非常に簡単でありそれこそストレージのパーティーションを壊すなり修正するなり手を加えることで実際の半分の容量を使えなくするということはできます。(その場合には半分に限らず任意の容量にも調整できてしまいますが)

しかしこのような操作は手順も長く複雑であり、偶発的に起こるということは考えにくいというのが現実ではないでしょうか。

■ハード要因の場合には修復は不可能

ハード要因の場合にはもとの容量に戻すことは基本的にできません。

内部的に半分のメモリ容量が接続できない状態になっているため、ソフト的にいくら探そうとしても接続されていないメモリを探してアクセスすることはできないのです。

原因として考えられることは基板上での接続が劣化や衝撃などの要因で途切れてしまうことと考えられますが、この途切れてしまう場所は様々で、基板上に複数実装されたフラッシュメモリへの配線だったり、ワンチップ化された内部でコントローラが内部リークなどで壊れてしまったり、フラッシュメモリそのものが部分的に壊れてしまったりといったこともあるのでしょう。

ファイルダンプイメージ
こういったダンプも手練れの皆さんは見慣れていると思いますが

アクセス可能な領域のメモリダンプを見てみると、上位ビットや下位ビットがまるごと欠落しているような値ばかりが出てくることもありますし、そうではなく半分のアドレスしか応答してくれなかったり、あるいはアドレス指定に対して応答があっても期待した領域ではなく繰り返し同じメモリ領域の値が出てくる(これは容量偽装にもよく活用される仕組みでもあります)なんてこともありますから同じ現象でも原因部分を特定するのは困難を極めることになります。

■その時代その時期の大容量品に多い

このようなトラブルはその時代その時期ごとにベースになる容量は異なるものの、いつも同じようなパターンで傾向的に表れてきています。

16GBがハイエンドと言われた時代にもよく見ましたし、32GBが出始めたころにもよく見ましたし、64GBが一般化してくる段階でもよく見ましたし、いまや128GBや256GBにとどまらず512GBや1TBなんてフラッシュメモリ製品も市販されていますが、これらの容量の半分しか使えなくなったなんてことも当然ながらあります。

かつてのハイエンドも年月が経ち生産工程がこなれてきて普及品扱いになった時点でパタッとみかけなくなるんですけどね。これを書いているタイミングだと16GBや32GBでこのような症状を見かけることはかなり少なくなってきました(ただし古い生産ロットのものを使っている方もいらっしゃいますから皆無というわけではないですが)。

くれぐれもUSBメモリやSDカードなどを購入されるときは消耗品であるという認識をしていただき、過剰に大容量のものを選ぶのではなく、その時必要な容量のものを買うように心がけることを強くおすすめしております。


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SDカードのデータ保持品質が全体的に低下?

最近の傾向として、ビデオカメラで使用されていたSDカードのデータ救出依頼の割合が増えてきています。

実は弊社のデータ救出サービスは「写真データ」と銘打っているものの、動画データの修復も得意分野の1つでして、テレビ各局からのお仕事もいただいております関係からおそらくは創業以来 他社さんよりかなりのノウハウを吸収できていると自負しています。

さて、プロユースは別として、個人利用されている方ではSDカードに何年分ものデータを撮りっぱなしにしているケースがいまだに後を絶ちませんが、それでも市販されているSDカードの保存性能の実力としては5〜10年ちかくはみてとれる状況だったのです。

ところが、ここ1〜2年でどうもその状況がかわりつつあるように感じられます。
特に、64GB以上のSDXCカードが比較的安価になってきてからでしょうか、撮影してから1年ほどでデータが再生できなくなるといった症状で寄せられる案件が増えてきました。

たった1年で?と思われる方も多いかもしれませんが、実際にカードをお預かりしてみるとだいたいの案件では部分的にデータが欠落し始めている症状が出ており、動画データでは映像が乱れたり再生できない状態までデータが失われていたりしますし、写真データであれば部分的にグレーになったり乱れた画像に変わってしまっていることが多くなっています。
もちろん、こういった目で見える症状は昔からデータ破損の典型的な症状として存在していたのですが、復元依頼に至るまでのSDカードの使用や保管状況をお聞きするとどうも従来とは違う傾向が強くなってきています。

というのも、1年ほど撮影に使ったあと、カードがいっぱいになったので新しいカードを購入し、いっぱいになったカードは2〜3ヶ月使用せずに保管状態にあったという事がほとんどなのです。
もちろん使用中にエラーが出たり顕著な動作不良などもいっさいみられず、放置している間にデータが破損したり消失したりといったことが起こっていることになります。

これは、ほんの数年まえまでは同様の症状がみられるまで数年間放置していたという場合に多かった復元依頼の内容と似通っています。もちろん、内部かSLCからMLC、TLCなどと変遷してきてもいきなり短期間でデータが蒸発してしまうということは目立って増えていたわけではありません。しかしながら大容量化と低価格化がどんどん進んでいくどこかの過程で、どうも違う傾向が目立つようになってきたように思えてしかたありません。

つまりは・・・入手しやすいSDカードのデータ保持にかかわる品質が全体的に低下し、ごく短期間でデータを失ってしまうものが増えてきているのではないかと危惧しています。

また、お預かりする件数の多いカードメーカーなども当然ながら偏りがありますが、誤解を招く恐れもあるのでこういった場で具体的に書く事は避けておきます。ですが、やはり安価に販売されている事が多い銘柄では深刻な破損状態でお預かりすることも多い傾向にあります。
くれぐれも、SDカードやUSBメモリのような記録媒体に長期間たいせつなデータを保管したままにしないように注意喚起となれば幸いです。


それでももし消えてしまったら、動画や写真データの復元は
『株式会社パソコントラブル救助隊』にお任せください。
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