なにか大きなテーマで壁にぶつかると、元来じっとしているのが苦手な私としてはついつい他のどうでもよいような事に時間と頭を費やしてしまう癖が。
そんな自分をマネジメントするために、自らそういった時ようのネタは常に残してあるわけなんです。そして折をみてパズルを組み立てるように手を動かすのが趣味というかなんというか。
今回そのネタとして手に付けたのは、Buffaloの古ーいNASであるLS210D(1TBシングルモデル)。

■いまどき1TBじゃねぇ
使われないまま部屋の片隅に置かれたNAS。シングルドライブ仕様なのでふつうのUSB外付けHDDとなんら差のない形。邪魔にもならないのでついつい存在を忘れがち。
さすがに1TBの容量のままでは電源をいれっぱで運用しようという気にもなれず、メインのRAIDを組んでるNASの傍らでじっと出番を待つばかり。
古いものだし売り払っても二束三文ならばいっそ、増強して活躍の機会を与えようではないか。
いつかぜったい換装したくなると思って置いておいた3TBのHDDも手元にあるし(中途半端な容量だが、だからこそ余ってる)
■3TBへ換装
さすがにBuffaloさんはコンシューマ市場ではとても上手に販売するようで、型番でネット検索すると改造事例もたくさん見つかる。
おかげさまでHDD載せ替えのハードルはとても低いように感じられる。
いや、そもそもNASってとっても楽にHDD換装できるはずなのだが、シングルモデルは使い捨て感覚が強いらしく筐体を開けるだけでも一苦労。
爪での止めてあるので筐体を開けようとすればもれなく内部の爪がほぼ確実に割れる・・・けれども別に販売するわけでもないので気にせず力技で実行。
中をみるとTOSHIBAの1TBーHDDが入っておりました(あたりまえか)。
今時から考えたらとても優秀なHDD。2016年生産のようです。AF仕様のHDDが出回りだした初期のころのHDDだねたぶん。

使用時間をみたらぜんぜん使ってないな。もったいない。部品としてはとても健全かつ初期不良出しも済んだ、いわゆる脂の乗ったパーツ状態。美味しくはなさそうだが。
■HDD交換はとても簡単
物理的にはネジ4本です。
ネジ4本を外してアルミテープをちょっとはがせばスライドして外せます。内部設計としてはちゃんとHDDを取り外すことを想定したスペースが設けられています。なのに筐体は羽目殺し。

念のために、入れ替えるHDDはあらかじめパーティーションをすべて削除しておきましょう。どうせあとでフォーマットするんだけど余計な情報が残らないようにおまじない(CLI操作しなくてもWindowsの「ディスクの管理」でGUI操作できます)
このNASはファームウェアをHDDに書き込むタイプだとおもわれるので、HDDを交換したらもれなく設定もすべて初期化することになります。
■初期化方法は?
Buffaloの公式サイトにも初期化操作の手順は動画解説まで準備されていてとても親切ですから眺めておいたほうがよいでしょう。
背面の初期化ボタンを押しながら電源スイッチをONし、10秒ほどたったら初期化ボタンから指をいったん離し、もういちど押すという2段階の手順になります。
これで赤ランプから白ランプ点滅にかわり、初期化モード(EMモード?)にはいります。ただしこの操作をするまえに準備しておく必要があるものがいくつか事前準備が必須です。
■ダウンロードしておくもの
今回の換装作業にはWindows11マシンを使用しています。
最低限の入手必須なものとして公式サイトなどからダウンしておくものは、
・NAS Navigator2
・最新ファームウェア(ls200-v184)
・旧ファームウェア(ls200-v174など)
・Tftpd64(LS210Dへのファームウェア流し込み用)
これだけで充分できます。というか私の環境ではTFTP Boot Recivery 1.53.rar が解凍できなかった。あったら楽なのかな?しらんけど。
きっと上記4つの中で探すのが大変なのは旧ファームウェアだろう。公式サイトではリンクが削られており、そのほかのサイトでも掲載されているようなところはなかなか見つからない。
でもあきらめるなかれ、まだちゃんと入手するすべはある(2025年10月現在)。
きっとCTF戦などに興味のある人ならすぐに見つけられるだろう。
怪しげなサイトから怪しいバイナリを落としてくるようなマネをしなくてよい。諦めなかった人はちゃんと報われるのだきっとw
逆に上記4点が揃えられなかったら本体を分解する前に売り払ったほうが良い。3~4千円が相場というところだけれど傷つける前ならばまだ売れる。
■Tftpd64でNAS本体に読ませるFWは
他の詳しい方々が試行錯誤した結果がいくつものWEBサイトにあるので、詳細はそれらサイトの先人たちに感謝の気持ちを持ちながら読んでほしい。
要点だけ書くとすれば、
・ls200-v184の中のinitrd.imgとuImage.imgはzip扱いにして解凍する
・zip解凍パスワードの候補は4種類(ネット検索しよう)
・解凍した中のファイル(合計5つ)はどこかのフォルダにまとめておく
・Tfpd64.exeを実行し、先にまとめたフォルダをCurrentDirectoryとしておく
・LS210Dを初期化モードで電源ON
・無事に初期ファームが転送されLS210Dが再起動したらNAS Navigator2で確認
・LSUpdater.iniのバージョンチェックとフォーマットの項目の値を「0」で書き換え
・LSUpdater.exeを実行してファームアップデート
で、とにかく作業用マシン(Tftpd64.exeを実行するマシン)のIPアドレスを192.168.11.1にしておくことが必須。
ルーターは別にあってもなくてもいい。なんならLAN直結でも大丈夫そうだが途中でDHCPが必要になるらしい。
そして、LS210Dを初期化したあとのパスワードは「password」だ。いまどきこんな簡単な文字列で出荷される製品はないぞきっと。作業が済んだら速やかに変更しないと危なっかしい。
■ファームウェアの更新は2段階で
いきなり最新のv1.84をインストールしようとすると必ずハマる。
どうやらHDDの換装チェックが入っているのか、あるいは非純正品を使うなというバッファローの意思表示なのか。
実行すると「HDDのパーティション情報が確認できませんでした。ファームウェアをアップデートすることができません。」というエラーが出て作業が中断してしまいます。
おもわずバイナリを解析してチェックをつぶしてやろうかと(だめですよ)、、思うくらい辛いメッセージです。NASなのに、NASなのに・・・。
でも、実は旧ファームウェアのアップデータであれば「パーティーション情報が取得できません。フォーマットします」という表示になりちゃんと動作してくれます。
ちょっと時間と手間はかかってしまいますが、旧ファームウェアをインストール完了したあとに最新ファームウェアを入れるという2段階構成の作業にすれば大丈夫。
■ほら、ちゃんと最新ファームで3TB仕様に
NAS Navigator2の画面でもちゃんと最新ファームウェア(v.1.84)でドライブ容量がおよそ3TBとして認識されています。成功です。

ん?IPアドレスやGWが丸見えだって?本番前の仮の設定ですからお気になさらずに。
WEB画面から初期設定ができるようになったら、まずパスワードを変更し、IPアドレスを変更し、サービスも必要なものだけ(DLNAとかBitTorrentとかiTunesとか不要だろうし、なんならSMB2.0と1.0の両対応になっているがSMB1.0も止めたほうが良い)にしてしまえば処理も軽くなる。
1TBだとバックアップ用途にもちょっと心もとないが、3TBあると案外一時しのぎとしては優秀な容量なので、MacBookのTimeMachine用として使うのもアリかもしれない(いまのMacOSでも使えるのかどうか不明だが)
それにしてもHDDの単価が高くなりましたねぇ・・・
3~4TBあたりなら6~8000円だったのに、いまやその2倍は出さないといけないなんて。これも一気にSSD市場が拡大してしまったからか。
長期信頼性という意味ではSSDよりHDDのほうが安心感があるのだけれどな。
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株式会社パソコントラブル救助隊で公式サイトを含めたウェブマスターを兼任しています。
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