ソフトウェア開発の世界ではいたって普通に使われているバージョン管理システムですが、Dreamweaverのようなツールを使ったWEBサイト制作においてはあまりイメージがつかないってことはあるのではないでしょうか。
かく言う私も、自社サイトを作るうえではテストサーバーにアップして状態を確認し、問題がなければ本番サーバーにアップするという段階を経るなかで、gitのようなバージョン管理をどうやって挟んだらよいのかよくわからなくて億劫に感じるところでした。
■Dreamweaverにもgit連携機能がありますね
いつの頃からか、Adobe DreamweaverにもGit連携の機能が追加されているのは時々チラチラと見かけて気にはなっていたので、この期に試してみようと思ったのです。
とはいえ、いきなり日常的に使用しているサイトファイル群の設定を書き換えてしまうのは恐ろしいのでテスト用に1つ設定を新設することにしました。
まずは下準備として、
・先にリモートリポジトリを準備しておいて、
・Dreamweaverでは新規サイトを作成し、
サイト設定のなかからサイト名やローカルサイトフォルダの設定項目とともに表示されている「このサイトにGitリポジトリを関連づける」という項目にチェックを入れるところからがスタートです。
あらかじめサーバー側でテスト用フォルダを作成し、git init –bare –share としておきます。
■ところがなぜかチェックできない
さて、メニューからチェックを入れるだけなどと簡単に思っていたのですが、なぜだかチェックを入れようとしても拒否される。
もちろん事前にgitはインストール済みです。
念の為にターミナルから
which git
としてgitのインストール先を調べ、そこにパスが通っているか
echo $path
としても通っていて、再起動しても状況が先に進まず。
うーん、いきなり詰んでしまったか。
■Dreamweaverの環境設定を見直し
そういえば、Dreamweaverが吐き出してきたダイアログの文末に”「環境設定」でカスタムパスを指定することもできます” などと書かれていたことを思い出し、
こんな画面を開いてみると、カテゴリの中にGitという項目がわかりやすく準備されているじゃないですか。
さっそく、Git実行ファイルへのパスのところに「/usr/bin/」って入れてDreamweaverを再起動してもまったく状況が改善しなかったのには戸惑いましたが、
なんのことはない、そこは「/usr/bin/git」と、ファイルまで指定してあげれば良かったのです。気づかず悩みました5分ほど。
■チェックマークを入れたあとは
Git連携にチェックマークが入ったら”URLを使用して既存のGitリポジトリを複製”という側を選びリモートリポジトリのURLを入力して「保存」
このとき、ローカルサイトフォルダの指定をどうしようか少し悩んだのですが、いつものごとくコマンドラインからgit cloneする感覚でフォルダ名まで作ってくれるような気がなぜかしなかったので、あらかじめフォルダを作っておきました。
一通りDreamweaver上でのサーバー設定が済み、手始めにindex.htmlを適当にごにょごにょと新規作成します。
■Gitビューとやらが出てきた
すると、これまで使ったことのないGitパネルの中にローカルリポジトリのファイルが表示されるようになりました。
さきほど新規作成したindex.htmlがリストアップされ、状態表示が「未追跡」となっています。
この未追跡という状態はいままでコミットしたことがないファイルを現わしているとのこと。
なので、今回新規作成したindex.htmlの左端にあるチェックボックスにチェックをいれ、コミットアイコン(左端のアイコン)をクリックすると、Gitのコミットというダイアログボックスが表示され、そのなかにコミット対象のファイル(今回はindex.htmlのみ)がステージされたファイルとして表示されています。
ダイアログの下部にはコミットメッセージを入力する欄が用意されていますので、git commit -m “~~~”と入れているようなメッセージ部分をほどほどに記入しておきましょう。
ダイヤログの「OK」ボタンを押せばコミット完了なので、次はpushですね。
■Git Pushアイコンにマークが
親切なことに、コミットしたらすかさずその3つほど右となりにあるGit Pushアイコンにマークが付きました。Pushし忘れないようにとの配慮でしょうか。
Git Pushアイコンを押してみるとなにやらダイヤログが出てきて、ブランチ名の設定などいくつか項目がありましたが今回はデフォルトのまま実行することで無事にpushができたようです。
念のためにリポジトリの操作履歴を確認しようと、Git Pushアイコンのさらに右となりにあるリポジトリ履歴表示アイコン(時計のようなアイコン)を押してみると、Gitリポジトリ履歴というダイヤログが表示されます。
そのなかで、さきほどpushしたindex.htmlがちゃんと表示され、さらに説明文としてコミットメッセージが表示されています。こういうのはコマンド入力するよりわかりやすい。
ひとまずこれでちゃんと接続されていることが確認できました。
さて、Git連携ができることが確認でき、Dreamweaver上で新たにブランチを作成することも簡単にできるようになりましたので、ようやくバージョン管理がしやすくなったというかシステマチックになったという印象です。
そして、一番イメージが湧きにくかったWEBサーバーとのやりとりですが、これは従来のファイルパネルからテストサーバーやリモートサーバーにPUTするという操作で変わりなく使える様子なので、特にWEBサーバーとの間での操作に変更が加わるという事は考えなくて済みそうです。
なんだ、やってみたら案外簡単で便利じゃないか。
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株式会社パソコントラブル救助隊で公式サイトを含めたウェブマスターを兼任しています。
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