いよいよ大晦日で通常営業も終了し、ちょっと書類整理にとりかかっているところです。
思い返してみると、今年は一気に大容量メモリでの救出要請が増えたようにおもわれます。
また、それとともに依頼品としてお預かりするカードメーカーもずいぶんと入れ替わってきたようにも思われます。
この仕事をはじめた当初はやたらと某○-DATAさんとかKING〜さんとかで救出不可能な状態まで進行しているようなものがよく見られたものですが、最近ではずいぶんと救出率も向上してきて、おそらくはおおもとの生産設備がずいぶん安定してきているのだろうなと思われます。
定番のSANDISKさんやPANASONIC、TOSHIBAさんのカードも売れている分だけ不具合品としてお預かりする機会はあいかわらず多いです。
正直なはなし、数年前までは依頼品でPANAのカードが来ているのを見ると内心「ああ、無理かな」と祈るような気持ちで検査機に通していたものでしたが(それほど、PANAのカードはギリギリまで動き続ける傾向だったということかもしれません)、いまではすっかり他社のカードと差の無い挙動を示すようになってきてほっとしています。
それにしても、パッケージの簡略化はすごい勢いで進んでいるようです。
SANDISKさんのSDカードでもケースを外してみると接点付近に1つ石が実装されているだけで、あとは基板すらなくてからっぽのケース部分をつまんでいるような感じになってきています。(以前は上海問屋さんのカードでそういう作りのを見ることが多かったですが今では一般化してきてるみたいですね)
コスト的には安くできるのでしょうけれど、復元やさんの意見としてはこの実装はあまりおすすめできないです。
接点の裏付近に大きなものが実装されているせいで、割れるんです。チップが。
カードの抜き差しが原因ということもあるでしょうし、ライトプロテクトのスイッチ付近が割れているものもよく見るのでスイッチそのものが固くて中のチップにへんな圧力をかけてしまったというものもあるかと予想されます。
内部で割れてしまっていると、場合によってはものすごい発熱をします。
利用者さんはあまり気づかれてないことも多いようですが、SDカードの外装ケースが中の熱で変形して部分的にふくらんでいることも割とあります。さわって火傷するくらいの温度ですから、当然ながらそれを装着していたはずのカメラやパソコンなどにも悪影響がでていることもあるかと思われます。
microSDカードの依頼品では今年もさんざん火傷しました(笑)
ほんとに不調なカードは発熱する症状もありますから、特にスマホのような機器に差し込みっぱなしだと危ないです。
不具合を感じたらカードをまず取り外しておくことがデータ救出の観点以外からも重要と言えます。
32GB以上のカードでは料金が高額になりつつあることから、手軽にご利用いただけるように割引策も導入しておりますが、そろそろ32GBいっぱいに使われているようなカードをお預かりする機会も増えてきています。
64GBや128GBのカードをおあずかりする機会も徐々に増えてきていますので、来年はなんとか機材増強をすすめて低価格を維持できるように頑張っていかねばと画策中です。
さて、こんな雑感を持ちながら本年の営業はそろそろとしたいと思います。
2015年もご愛顧をいただきましてありがとうございました。
2016年もより一層ご期待にそえるよう尽力いたしますので、どうぞ宜しくお願い致します。