ここ1ヶ月くらいの間に弊社でお預かりした救出依頼案件で比較的多かった事例を紹介します。
・32GB、64GB、128GBのカードをお預かりする機会が増加傾向です。
・特に32GB以上のカードでは記録領域の後方部分に致命的なトラブルをかかえているものが目立ち、比較的長期間にわたって正常なように利用できてしまうカードをよく目にします。(動画や写真が大量にたまった頃に不具合が発症してしまっています)
・2GB〜4GBクラスのカードでは5年以上の相当な長期間にわたって使用されたと思われ、製品寿命末期と思われる症状が散見されます。
これ以下は定番のいつもの案内ですが、
SDカードなどのメモリ媒体を利用するうえではいくつかの顕著なトラブルがあります。
(1)初期不良
(2)潜在不良
(3)偶発的な動作不良
(4)操作ミス
(5)取扱い上の破損
このうち(1)についてはカード購入直後や比較的はやい段階で不具合にあうため、そのぶん損失も少なくて済むといえます。販売店などでの新品交換対応なども受けられる場合が多く、数ある不具合の中ではわりと軽い部類と考えられます。
(3)は例えばスマホやパソコンが固まってしまったり、カメラのバッテリー不足などで処理中に電源がおちてしまったりといった偶発的な事態をきっかけにしてデータの一部または全部が消失してしまうことがあります。
(4)で多いのは誤ってカードの初期化や全削除操作を行ってしまうことが代表となります。その他にはパソコンなどに接続していて取り外す前に「安全な取り外し」「アンマウント」のような操作を省略していきなり取り外してしまったことにより、裏でアクセス中のデータやその周辺の情報をごっそりと失ってしまうことがあります。
(5)で特に多いのはmicroSDカードを折り曲げてしまったとういもの。特にスマホやパソコンのカードスロットに入れる際に変な方向から力をかけて曲がってしまうことがあります。精密な部品なので見た目で分かり難いようなほんのわずかな曲がりでも内部チップに致命的なダメージを与えてしまうことが多く、ヒビ割れが見えるほどだと通電したときに極端な発熱をすることもあり本体がわまで破損してしまう場合がありますので注意が必要です。
説明が前後してしまいましたが、
(2)が実はもっとも厄介なもので、特に大容量のカードだと数年単位の長期間にわたって正常なように振舞ってしまうものが多いため、使っていても不具合に気付かないまま大切なデータをためていってしまいます。そして、ある時点で潜在不良領域に到達してしまいそれまでのデータがすべて犠牲になってしまうという事例が多々あります。
いずれの場合であっても弊社では豊富な救出実績がありますので、一度お預かりさせて頂ければと考えております。
ただこのところ増えてきているのが復元ソフト等によるダーティデータを復元対象のカードに書き込まれてしまっているケースで、特に大量の汚れたデータが書き込まれるとどうしても復元対象メモリ領域を上書きしてしまいます。
上書きが進行してしまうとフラッシュメモリの特性上いくら頑張っても上書き前のデータを取り出すことが技術的に不可能となりますのでくれぐれも注意が必要です。(上書きされても前のデータが取り出せる技術が確立されたら、そもそも大容量のメモリを開発していく意義が薄れてしまうという点からもご理解いただけるかと思います)