決済手数料あれこれ

クレジットカード決済やスマホ決済が日常に浸透してきて、とても便利ですよね。

私も普段の買い物で財布から現金を取り出すというシーンがほとんどなくなり、むしろスマホが無いととても困ってしまうようになりました。

■事業者としては手数料支払いが

さて、クレジットカード決済やスマホ決済などは消費者の立ち位置としてはすごく便利なのですけれど、事業者の立ち位置になると必ず手数料を決済事業者さんに支払わねばならないというコストが発生します。

決済手段の選択肢がほぼ無い状態だとあまり気にはならないのですが、複数の決済手段を選択いただける状態まで環境が整ってくると、はたしてどの手段がコストを抑えることができるのだろうと気になることがあります。

限界までコストを突き詰めていると、時々話題になるのですが飲食店で「ランチタイムはカード決済お断り」なんていうカード会社との契約に違反するお話がチラホラでてくるのですが、事業者がわが現金決済を求める気持ちもよく理解できたりするわけです。

■決済金額によって手数料が変動する

さて、決済手数料というのはだいたいの場合は決済金額の~%という形で決済事業者さんと契約することになります。

たとえば楽天PAYでクレカ決済だと、決済金額の2.95%が手数料として徴収されますし、ヤマト運輸さんのWEBコレクトなら決済金額の5.5%が手数料として徴収されることになります。

この手数料率だけで考えると、手数料率の低い決済手段がもっともコストがかからないのではないかと考えがちなのですが本当にそうだろうか?と思うようなことも現実には多々あります。

■シミュレーションしてみた

さて、複数の要素が絡み合うような計算はエクセルにさせるのが最も理解しやすいので、久しぶりにシートを作ってみます。

決済金額と手数料試算

ざっくりしたシートですが、売上に相当する請求金額と納品先地域を入力すると決済手段ごとに手数料と手取り額が計算されるようなイメージです。

ちょうど決済金額が3万円を下回るかどうかという点が日常でありがちな値だと思われますので、わずかに下回る29500円の請求を例にとります

手数料率は各社で公表されている値送料についても一般契約でサイズ60のお荷物の値としています。

たとえば宅急便コレクト(代引き)の場合には手数料率は4.29%WEBコレクトの場合には5.5%代引きのほうが手数料率は1%以上低くなるわけなのですが、実際の手取りを計算してみると代引きのほうが少ない、なぜ?となるわけです。

よく見てみると手数料率にかかる金額が、決済金額+送料を元に計算されています。そのため決済金額が少し大きくなる影響で振込手数料も増加することとなり、さらには代引き手数料も差し引かれることになります。

その結果、手数料率の低い代引き便よりも、手数料率の高いWEBコレクトのほうがトータルコストが抑えられ、結果として少し手取りが多くなるという計算結果になったりします。

■送料という大きな要素を除いても

同じようなことが実店舗決済のAirPAYと楽天PAYでも生じます

クレジットカード決済で比較した場合、楽天PAYの手数料率は2.95%AirPAYの手数料率は3.24%楽天PAYのほうが手数料率が0.3%ほど低く抑えられます

しかし、楽天PAYで決済した場合には楽天銀行の口座への入金は手数料0円ですが、楽天銀行の口座から他行へ振込みしたりATM出金する際に手数料が発生します(楽天銀行以外へ入金手配した場合には入金手数料で330円が発生しますので、楽天銀行口座へ入金設定するのが最も安上がりです)

この入出金の手数料まで含めてコスト計算した場合には、決済手数料率の高いAirPAYのほうが実はトータルコストが低くなり手取り金額が大きくなるということも起こりえます。

もちろんこれらは1売上毎にコストが発生するという前提に立った単純試算ですので、実運用として複数売上や一定期間の売上をプールしておいてから入出金した場合にはぐんとコストを抑えることになります

■手数料は必ず誰かが負担する

こういったコストが発生するからといって、そのコスト分を商品やサービス料金に上乗せして請求することは基本的にはNGという契約になっていることがほとんどだと思います。

また、道義的にも決済手段によって料金が上乗せされるというのは気持ちの悪いことだと思いますから弊社ではもちろん行っていません。

決済事業者さんの提供している仕組みを活用させてもらっているという点でも、商品・サービス料金からある程度の手数料が徴収されるというのはある意味当然のことでもあると考えます。

なので、自分が消費者に立った場合でもこういったコストはどこかで必ず発生しているものだという認識はしっかり持っておかないといけないのだろうな、なんて思ったのでした。


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